BRICS圏の新たな加盟国であるエチオピアは、53億8000万ドル相当の債務の一部を人民元建て融資に転換するよう中国と交渉している。目標は、アジア最大の経済国との貿易関係を強化しながら為替圧力を軽減することだ。
エチオピア国立銀行のエヨブ・テカライン総裁によると、先月北京で中国輸出入銀行および中国人民銀行と協議が行われた。双方は支払い問題、貿易円滑化、債務再編について協議した。
「中国は現在、われわれの非常に重要なパートナーだ…通貨スワップメカニズムの設立は完全に合理的だ。われわれはこれを正式に提案しており、実現に向けて取り組んでいる」とイーヨブ氏はワシントンでの国際通貨基金(IMF)年次総会後に述べた。
今月初め、もう一つのアフリカの国であるケニアは、鉄道プロジェクトに対する中国資金による融資3件の米ドルから人民元への転換を完了した。この措置により、同国は毎年約2億1500万ドルの利息を節約することができた。
ナイジェリアはまた、ナイラ元通貨での貿易支払いを支援するため、昨年12月に中国人民銀行と150億元(約20億米ドル)相当の通貨スワップ協定を延長した。
アナリストらは、多くのアフリカ経済が融資や取引での人民元利用に徐々に切り替えていることは「脱ドル化」戦略の明らかな現れだと指摘する。
東アフリカの国エチオピアの経済は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックと、2022年に終結する2年間にわたるティグレ地方の内戦を受けて、一連の課題に直面している。
昨年9月、アハマド・シデ財務大臣は、長期にわたるショック後の二国間貿易と経済再建を支援するため、両国がブル・人民元通貨スワップの枠組みに合意したことを確認した。
2024年1月にエジプト、イラン、UAE、インドネシアとともにBRICSに加盟したエチオピアは、金融関係を多様化する新たな立場を急速に活用している。 BRICSは加盟国に対し、支払いに現地通貨を使用し、米ドルへの依存を減らすよう繰り返し求めてきたが、この傾向は米国主導の金融システムへの直接の挑戦と見なされている。
ドナルド・トランプ米大統領はBRICSの「米ドル離脱」戦略を批判し、ドル紙幣から離脱する国々に税金や制裁を課すことを警告した。