長時間座ることは健康の静かな敵です
台湾(中国)での研究では、あまり座らない仕事に就いている人は、あまり座らない人に比べて、心臓病による死亡リスクが34%高く、あらゆる原因による死亡リスクが16%高いことが示されました。特に、適度な運動であっても、長時間座り続けることによる悪影響を完全に相殺することはできません。
長時間座っていると、インスリン抵抗性、2 型糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、腎機能障害を引き起こす慢性的な軽度の炎症と関連していることが示されています。
カリフォルニア大学サンディエゴ校(米国)の疫学教授、アンドレア・Z・ラクロワ博士は、「長時間座っていると、手足に血液がたまり、血液循環が低下し、血管に影響を及ぼします。体はほとんど静止した状態で凍りついています。」と述べています。
高齢の女性を対象とした別の研究では、たとえ激しい運動をしていたとしても、1日11.6時間以上座っているグループは、9.3時間未満座っているグループに比べて死亡リスクが57%高いことが分かりました。
より健康的に生きるために、じっと座るサイクルを断ち切る方法
ラクロワ博士によると、立ち上がる前に座る理想的な時間は、わずか 20 分である可能性があります。 「1時間に3回起きるほうが、1回しか起きないより良いのです」と彼女は言います。
科学者たちは、起きて郵便受けに行く、水を汲む、アラームをセットして20~30分ごとに体を動かすなど、小さな習慣を身につけることを奨励しています。 「座位から立位に切り替えるだけで血圧が改善し、心拍数が増加します」とラクロワ氏は付け加えた。
メイヨークリニック(米国)の予防心臓病科部長、フランシスコ・ロペス・ヒメネス博士は、「積極的に立ったり動いたりしない場合、長時間座り続けることを避けるのは難しい。トレッドミルや、ゴムバンドやハンドウェイトなどの軽い運動器具を使うと、循環を維持するのに役立つ」と提案した。
より頻繁に立ち上がるだけで、体が活性化され、血流が増加し、心臓血管の健康が改善されます。これは、小さな一歩ですが、長寿と生活の質に大きなメリットをもたらします。