11月1日、ドナルド・トランプ米大統領は、オルバン首相の要請にもかかわらず、ロシアを対象とした米国の新たな制裁からハンガリーを免除するかどうかはまだ決定していないと述べた。
トランプ大統領はエアフォース・ワンで記者団に対し、オルバン氏が申し出を行ったことを認めた。トランプ氏は「大統領は免除を求めたが、われわれはまだ認めていない」と述べた。しかし、米国指導者は、米国政府がブダペストの要請を受け入れる用意があるかどうかについての質問を二度はぐらかした。
この問題は、オルバン首相が11月7日に米国でトランプ大統領と直接会談する予定であることから、特に緊急性が高まっている。オルバン氏は以前、この会談を利用して、エネルギー分野における一部の免除の必要性を米国指導者に説得するつもりだと述べていた。ハンガリーは、国家のエネルギー安全保障を維持するためにこれらの免除が必要であると主張している。
ハンガリーの姿勢はロシアのエネルギーへの依存度が高いことに由来しており、EU内で多くの論争を引き起こしている。ハンガリーは内陸国であり、主にロシアからのドルジバ・パイプラインを通じた石油とガスの供給に依存している。
ハンガリーのペーター・シジャルト外務大臣も、ハンガリーは「政治と友好関係を築くことができない」し、実質的な地理的理由からロシア石油を手放すことはできないと繰り返し断言した。ハンガリーは、米国の新たな制裁がこの重要な供給を直接脅かすことを懸念している。
ハンガリーが懸念している制裁とは、米財務省が10月22日に発表した、ロシアの石油大手2社、ロスネフチとルクオイルとその子会社34社を対象とした新たな制裁パッケージである。これらの措置は11月21日に完全に発効する予定である。米国は、これらの制限はロシアにウクライナ紛争を終わらせるよう圧力をかけることを目的としていると考えている。
ロシア側では、ウラジーミル・プーチン大統領は、新たな制裁はロシアの経済安定に大きな影響を与えるものではないと述べた一方、米国政府がこのような行動で二国間関係を損なっているとも指摘した。