米国政府の早期経済再開が経済指標の流れの回復に役立つとの期待のおかげで、金価格は火曜日の取引でも上昇を続け、来月連邦準備理事会(FED)が利下げすると予想される前の重要な要素となるとの期待から、約3週間ぶりの高値に達した。
金スポット価格は、一時10月23日以来の高値となる4,148.75ドルに達した後、グリニッジ標準時8時16分時点で0.5%上昇し、1オンス当たり4,137.06ドルとなったが、10月20日に記録した1オンス当たり4,381.21ドルの記録を依然として下回っている。
米国の金先物12月渡しは0.5%上昇し、1オンス当たり4,143.80ドルとなった。
サクソ銀行商品戦略責任者のオーレ・ハンセン氏によると、金価格が再びキャッシュフローを呼び込んでいるのは、「政府再開により追加債務を財源とする新たな支出策につながる可能性があるため、市場は米国の財政懸念にさらに注目している」からだという。
これに先立ち、米国上院は月曜日、同国史上最長の政府機関閉鎖を終わらせる合意を可決したが、これにより経済の重要な指標である非農業部門雇用者数報告を含む多くの重要な経済指標の発表が遅れた。
この法案は共和党が多数を占める米国下院に送られる予定で、マイク・ジョンソン下院議長は水曜日にも文書を可決したいと述べた。
ハンセン氏は「政府再開は経済指標の回復にも役立ち、12月利下げへの期待が強まる可能性がある」と付け加えた。
一方、FEDの政策担当者らは金融政策のロードマップを巡って依然意見が分かれており、今年初めから2度利下げを行ったジェローム・パウエル議長は異なる意見を調整するのに多くの困難に直面している。
FRBのスティーブン・ミラン総裁は月曜日、次回12月の会合では50ベーシスポイントの利下げが適切である可能性があると述べた。
一方、先週発表された統計は、10月に労働市場が雇用を失い、11月初旬の時点で消費者信頼感が3年半ぶりの低水準に低下するなど、米国経済にストレスの兆しがあることを示した。
トレーダーらによると、市場はFRBが来月さらに0.25%ポイント利下げする可能性を64%織り込んでいる。
ジュリアス・ベア銀行のアナリスト、カールステン・メンケ氏は、金と銀の両方に対して前向きな見方を維持しており、「貴金属グループにとって非常に有利なファンダメンタルズ要因を背景に、チャンスを逃す恐れが依然として存在する」と述べた。