10月19日、ドナルド・トランプ米大統領は、インドのナレンドラ・モディ首相がインドがロシア産原油の購入をやめると言っていたことを改めて認めた。
トランプ氏は「インドのモディ首相と話したところ、ロシア産原油の購入をやめると約束した」と述べた。
しかし、記者団からインド側が発言を否定したと聞かされると、トランプ大統領は「彼らがそう言いたいなら、巨額の関税を払い続けなければならないが、彼らはそんなことはしたくない」と警告した。
インドによるロシア産原油の購入は、米国との貿易関係における主要なボトルネックの一つとなっている。米国はこの行動がロシアとウクライナ間の紛争の資金調達に貢献していると考えており、それに応じた。トランプ政権がインド製品に課した合計50%の関税の半分は、インドがロシア産原油の購入をやめなかったことに対する直接の罰金とみなされている。
トランプ氏がこの1週間でこの発言をするのは2回目となる。同氏は10月15日、モディ首相がインドがロシア産原油の購入をやめるだろうと確約したとも述べた。これに対しインド外務省は、その日の両首脳間の電話会談については認識を否定し、インドの主な関心事は「インドの消費者の利益を守ること」だと主張した。
一方、実際のデータもトランプ氏の発言と矛盾しているようだ。ホワイトハウス当局者は10月16日、インドがロシア産原油の購入を半減したと発表したが、インド関係者によると、直ちに減少したわけではない。したがって、インドの精製業者はすでに11月の注文を出しているため、削減が現れ始めるのは12月か1月の輸入統計になる可能性がある。
商品データ会社Kplerの推計によれば、今月のロシアのインドへの原油輸入量は約20%増加して日量190万バレルになると予想されている。
西側諸国がロシアに制裁を課して以来、インドは割引価格を利用してロシア海上原油の最大の買い手となっている。
トランプ大統領は、多国間制裁だけに頼るのではなく、二国間関係と関税のてこを利用して各国にロシアを経済的に孤立させることを望んでいるように見える。しかし同氏はまた、インドによる石油購入停止は「すぐには」起こらないことを認め、これはプロセスだと述べたが、そのプロセスは間もなく終了するだろう。