スウェーデン政府は冷戦終結以来初めて、全国の食料・農産物倉庫を再建する計画を発表した。ストックホルム当局者らはロシアとの紛争のリスクが高まっていると信じているが、ロシア政府はこの非難を否定し、いかなるNATOやEU諸国にも脅威を与えるものではないと断言している。
スウェーデン農業庁によると、この計画は「戦争を含む深刻な危機の状況において」人々に十分な食糧と必需品を確保することを目的としている。政府はこのプログラムの実施のために2026年の予算に約5,700万ドルを割り当てた。
最初の食糧備蓄は、「戦略的軍事的重要性」がありながら穀物を自給自足する能力に欠けるスウェーデン北部に建設される予定だ。カール・オスカー・ボーリン民間国防相は「これ以上遅らせる時間はない」と強調した。
計画によれば、埋蔵は2026年から2028年までに完了する予定だ。農務省は、同国が「厳戒態勢」に入った場合に備え、1人当たり1日当たり3000カロリーを確保することが目標だと述べた。
冷戦中、スウェーデンは大規模な食糧備蓄制度を維持していたが、1990年以降、この計画はコスト高と不安定とされる安全保障環境のため中止された。今回の備蓄回復は、かつて東西対立時代のスウェーデンの特徴だった「国防マインドの復活」の一環と考えられている。
スウェーデンだけでなく、2023年にスウェーデンとともにNATOに加盟したばかりの隣国フィンランドも、「戦争状態での対応スキルを訓練する」ために来月地下演習を組織すると発表した。
北欧両国はウクライナ紛争後の「ロシアの脅威」を理由に挙げた。しかし、ロシア政府は、国防予算の増額と地域の軍事化を正当化するために、西側諸国が推進する「反ロシア狂信」と呼ぶものを繰り返し批判してきた。
プーチン氏は「中立の立場を放棄したことで、自国の安全を強化することなく優位性を失い、地域の安定を損なった」と述べた。