貴金属の専門家によると、金価格は短期的な調整に入ることが予想されているものの、今年は40年以上で最も強い年に向かうという。
金価格は、1オンスあたり4,390ドルを超えた過去最高値から約10%下落した後、3週間連続の下落を記録する勢いとなっている。しかし、年初以来、金価格は依然として50%以上上昇しており、1979年以来最高のパフォーマンスを記録しており、貴金属市場にとって歴史的なマイルストーンとなっている。
投資家や金トレーダーは、短期的に金価格の方向性を決定すると予想される金融政策の方向性に関する手がかりを探すため、米連邦準備制度理事会(FED)当局者の発言を注視している。
JMファイナンシャル・サービシズ社の商品・通貨調査担当副社長、プラナブ・メール氏は、「市場はインフレデータ、関税に関する米国最高裁判所の公聴会、FED当局者の声明、中国の経済データに注目しているため、金価格は横ばいの動きを続けるか、わずかに調整する可能性が高い」とコメントした。
一方、エンジェル・ワンの非農産物・通貨調査担当副部長、プラサメッシュ・マーリヤ氏は、「金は依然として1979年以来最強の年間増加を記録する軌道に乗っている。現在のファンダメンタルズ要因が維持されれば、市場のボラティリティが近い将来に新たな価格上昇を促す可能性がある」と述べた。
国際市場では、コメックスの金12月限は先週13.3ドル(0.33%相当)上昇し、金曜日の取引は1オンス当たり4,009.8ドルで終了した。金価格は、米国の金融政策や雇用統計の変化への期待により大きく変動した後、1オンスあたり4,000ドル前後で変動し、安定した。
エムケイ・グローバル・ファイナンシャル・サービシズの商品・通貨アナリスト、リヤ・シン氏によると、米国企業が10月に過去20年以上で最高の人員削減を発表したことを示す報告書を受けて、FEDが12月に利下げするとの期待が高まったという。しかし、FED当局者らのシグナルがまちまちであることや、米政府の一時閉鎖によるインフレ統計の欠如により、市場センチメントはより慎重になっている。
シン氏は、今年の金の残高増加は主に、FEDが金利を引き下げるとの期待、中央銀行による600トンを超える金の純購入、そして金を裏付けとしたETFへの安定した資本流入によるものだと述べた。