給料は電気代を賄えない
7月初旬、ハノイの屋外気温は時々40°Cに達し、蒸し暑い熱気がバクタンロン工業団地の狭い下宿の一軒一軒に忍び込み、すでに息苦しい部屋を真の意味での「怪物炉」に変えました。
約15平方メートルのアパートの部屋の中で、グエン・ヴァン・ドアンさん(ラオカイ出身)夫婦は、古くなった扇風機をじっと見つめ、暑さを追い払おうとしているだけです。彼らにとって、エアコンは依然として贅沢品であり、考えることさえできません。
「私たち夫婦は扇風機しか使いませんでした。部屋は鉄筋コンクリートで、狭く、ひどく蒸し暑かったです。何夜も暑すぎて眠れず、朝までぼうぜんとしていて、翌日仕事に行くと疲れました」とドアンさんは打ち明け、手で額から垂れ下がる汗を拭い続けました。
彼は計算すると、わずかな収入で、毎月家賃、食費、ガソリン代、実家に送るための手当をきちんと支払わなければなりません。とても忙しく、子供が病気になったり、急な用事があったりするのを防ぐために、月末には3〜4万ドンしか残っていません。
「通常、私の家は毎月約35万ドンの電気代を支払っています。電気料金の値上げのニュースを聞いてから、夫婦で心配しています」とドアンさんは心配そうな声で語りました。

いいえ、エアコンをつける勇気もありません。
数軒のアパートの部屋から、ホアン・ティ・ズオンさん(Tuyen Quang出身)は夏の初めからエアコンを購入しました。しかし、それには別の懸念も伴いました。エアコンはほとんどシーンとして使用するためだけに、部屋の隅に静かに置かれています。
「はい、でもそうではありません。熱すぎて耐えられないときだけオンにします。オンにすると、27〜28°Cまで温め、さらに扇風機をつけて、暑さを和らげます」とズオンさんはため息をつき、エアコンを指さしました。
数年間労働者として働いていたとき、昇給しなければ月収はわずか600万ドンでした。その給料から、約100万ドンの家賃、ハノイの高価な電気、水道、食費を差し引いた後、彼女は両親を助けるために故郷に送るための貯蓄を少し残しました。
「下宿村の誰もが今電気代を訴えています。月末に請求書を受け取るまで考えていると、震えそうです。給料が減っているのを見るよりも、もう少し暑くしておいた方がましです。電気料金が上がるたびに、計算しなければならない負担になります。」とズオンさんは語りました。
ドアンさんとズオンさんの心配は、工業団地で賃貸住宅を借りている何千人もの労働者の共通の心配でもあります。労働者にとって、月末の電気料金請求書は単なる数字ではなく、今後の食事、削減しなければならない支出、そして都市部でより充実した生活を送ることへの絶え間ない心配に対する決断です。